性の悩み

夫しか男性を知らない女性の悩み|恋をしてこなかった人生と、心が揺れた瞬間

masaki200@

「これまでの人生で、夫以外の男性を知りません」

そんな女性からご相談を受けることがあります。

お見合いで結婚し、恋愛らしい恋愛をほとんど経験しないまま、妻になり、母になった。

家庭に大きな不満があるわけではない。

けれど40代、50代になり、ふと自分の人生を振り返ったとき、

「私は一度も、本当の意味で恋をしたことがないのかもしれない」

そんな思いが湧き上がってくる女性もいます。

今回は、私がこれまで女性と接してきた中で感じた、「夫しか男性を知らない女性」が抱えることのある心の揺れについて書いてみたいと思います。

※この記事は、これまでに伺った複数の女性のお話をもとに、一人の女性のエピソードとして再構成しています。

26歳でお見合い結婚。それが普通だと思っていた

朋子さん(仮名)は40代。

26歳のときにお見合いで結婚し、二人の子どもにも恵まれました。

夫婦生活は週に1回ほど。

朋子さんは長い間、その夫婦生活に特別な疑問を持っていませんでした。

ご主人が飲み会から帰ってくると、眠っている朋子さんの身体に触れ、そのまま夫婦生活が始まることがよくありました。

朋子さんは眠い目をこすりながら、自分の身体を夫に預け、終わるのを待っていました。

「夫婦のSEXとは、こういうものなんだ」

それが朋子さんにとっての「普通」でした。

結婚当初は、ご主人が前戯をしてくれました。

しかし、それも長くは続かず、いつしか夫婦生活では、夫を喜ばせることが朋子さんの役割になっていました。

それでも、他の男性との経験がない朋子さんには、比較するものがありません。

だから、それが当たり前だと思っていたのです。

「SEXが気持ちいい」という女性の言葉に驚いた

あるとき朋子さんは、インターネットで女性たちの性体験について書かれた文章を目にしました。

そこには、

「SEXがとても気持ちいい」

「大切に触れられると幸せな気持ちになる」

といった女性たちの感想が書かれていました。

朋子さんは不思議に思いました。

「私が知っているSEXと、全然違う……」

それ以来、その違和感が何年も心の片隅に残るようになりました。

自分が経験してきたものが普通なのか。

それとも、自分が知らないだけなのか。

その答えを確かめたいという気持ちが、少しずつ大きくなっていきました。

初めて「女性として大切に扱われた」と感じた

そしてあるとき、朋子さんは意を決して女性向け風俗を利用しました。

相手は、同年代の穏やかで優しそうな男性でした。

朋子さんが驚いたのは、性的なこと以上に、その男性の接し方でした。

自分の気持ちを確認してくれる。

優しくエスコートしてくれる。

そして、一人の女性として丁寧に扱ってくれる。

そのことが、朋子さんには大きな衝撃だったそうです。

「私、女性として扱ってもらっている」

そう感じた瞬間、思わず涙が出てきたそうです。

それまで朋子さんにとって、「男性」という存在の基準はご主人だけでした。

夫しか知らなければ、夫の接し方が男性の基準になります。

しかし、自分への接し方がまったく違う男性と出会ったことで、その基準が一気に崩れてしまったのです。

そして朋子さんは、自分を優しく扱ってくれた男性に、強く心を惹かれていきました。

「セラピストが好き」だけでは説明できないこともある

こうしたケースを、単純に

「女性向け風俗のセラピストに恋をしてしまった」

だけで片づけると、大切な部分を見落としてしまうことがあります。

もしかすると、その人自身に惹かれた気持ちだけではなく、

「こんなふうに男性から大切にされたかった」

「こんな恋愛をしてみたかった」

「もっと女性として扱われたかった」

という、これまでの人生で満たされなかった思いが、一気に表面へ出てきたのかもしれません。

40代、50代になってから、

「私は妻として、母として生きてきた。でも、一人の女性としての人生はどうだったのだろう」

と考え始める人もいます。

それまで心の奥にしまっていたものが、誰かとの出会いをきっかけに突然あふれ出すことがあります。

夫しか知らないことが悪いわけではありません

もちろん、夫しか男性を知らないこと自体が問題なのではありません。

一人の男性と出会い、その人と人生を歩んで幸せを感じているのであれば、それも素敵な人生だと思います。

大切なのは、「男性経験の人数」ではありません。

注意したいのは、自分の中に長い間抑えてきた恋愛への憧れや、女性として扱われたい気持ちがある場合です。

その状態で出会い系や女性向け風俗などを利用し、初めて優しく接してくれる男性に出会うと、自分でも想像していなかったほど心が大きく動くことがあります。

特に、それまで比較対象となる男性がほとんどいなかった場合、

「私は今まで何をしていたのだろう」

という過去への後悔が同時に押し寄せることがあります。

その感情が強くなると、周りが見えなくなってしまう人もいます。

恋をしてこなかった人生を、否定する必要はない

「もっと若い頃に恋愛しておけばよかった」

「女性として大切な時間を失ってしまった気がする」

そんな気持ちになることもあるでしょう。

しかし、過去の人生を否定する必要はありません。

大切なのは、今になって生まれてきた気持ちを、自分自身がどう受け止めるかです。

それは必ずしも、

「別の男性とSEXしたい」

という気持ちだけではないのかもしれません。

誰かに優しくされたかった。

女性として見てもらいたかった。

恋をしてみたかった。

自分の気持ちを大切にしてもらいたかった。

そうした思いが、「性」をきっかけに表面へ出てくることがあります。

性の悩みを掘り下げていくと、最後に出てくるのはSEXの問題ではなく、その人がこれまでどのように生き、どんな気持ちを我慢してきたのかという「心の問題」であることも少なくありません。

自分の中に突然生まれた感情に戸惑ったときこそ、

「私は本当は何を求めていたのだろう」

と、自分自身に問いかけてみることが大切なのだと思います。

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