『女性向け風俗の現場』を出版して5年|本を書いた理由と、出版後に届いた反響
書籍『女性向け風俗の現場』を出版してから、いろいろな方から質問をいただくようになりました。
その中でも、よく聞かれるのが、
「そもそも、なぜ本を書こうと思ったのですか?」
という質問です。
本を書こうと思ったのは、女風を始めて3か月ほどの頃
実は、本を書こうと考え始めたのはかなり早く、女性向け風俗の仕事を始めて3か月ほど経った頃だったと思います。
当時、さまざまな女性から性の悩みを聞いていました。
一人ひとり年齢も環境も違うのですが、話を聞いていくと、驚くほど似た悩みを抱えていました。
そして印象的だったのが、
「自分の身体がおかしいのではないか」
と思っている女性が、とても多かったことです。
しかし、実際に話を詳しく聞いてみると、女性の身体だけに問題があるわけではありません。
男性側の知識不足や思い込み、男女の性に対する感覚の違いなどから、すれ違いが起きているケースも少なくありませんでした。
だから私は、女性たちに伝えたいと思いました。
「あなた一人だけの悩みではありません。同じことで悩んでいる女性は、ほかにもいます」
と。
男性にも伝えたいことがあった
もう一つ、本を書こうと思った大きな理由があります。
それは、男性と女性の間にある「性のすれ違い」です。
女性は性行為の中で違和感を覚えている。
でも男性側は、
「これでいい」
「特に問題はない」
「相手も満足しているだろう」
と思っている。
そんな男女の認識の違いを、私は何度も目の当たりにしてきました。
だから男性にも、
「あなたが思っていることと、女性が実際に感じていることは違うかもしれませんよ」
ということを伝えたかったのです。
女性のためだけではなく、男性にも読んでもらえる本にしたい。
それが『女性向け風俗の現場』を書いた理由の一つでした。
出版の方法すら分からなかった
とはいえ、私はそれまで本を出版した経験などありません。
何をどうすれば本になるのかすら分かりませんでした。
そこで作家の先生に弟子入りし、文章や企画についていろいろとご指導いただきました。
そして出版社へとつないでいただき、最終的に『女性向け風俗の現場』を出版することができました。
出版後、Amazonベストセラーに

出版した頃は、ちょうど世の中でも、
「女性向け風俗って何だろう?」
と少しずつ注目され始めていた時期でした。
その影響もあったのだと思います。
出版後は多くの方に手に取っていただき、Amazonでもベストセラーとなり、重版もされました。
そして、本をきっかけにさまざまな媒体から取材を受けるようになりました。
特に印象に残っているのが『プレジデント』からの取材です。
40代、50代の男性にもこの問題を知ってほしいと思って本を書いていたので、男性読者の多い媒体から声をかけていただけたことは、とても嬉しかったです。
また、読売新聞で本を紹介していただいたことも感慨深い出来事でした。
各地の図書館をはじめ、国立国会図書館や視覚障害者向けのライブラリーにも収蔵されていると聞いています。
自分が現場で聞いてきた女性たちの声が、本という形になって、自分の知らない場所にまで届いていく。
出版して初めて経験した、不思議な感覚でした。
作家さんや漫画家さんからも取材が
出版後は、さまざまな作家さんから取材を受けるようになりました。
特に多かったのが漫画家さんです。
女性向け風俗をテーマにした作品や、女性の性を描くための取材として話を聞きたい、というご依頼をいただきました。
中には、取材だけでは分からないからと、実際に施術を受けに来られた作家さんも何人かおられました。
自分が現場で経験してきたことが、今度は別の作家さんの作品につながっていく。
これも、本を出版していなければ経験しなかったことだと思います。
一番嬉しかったのは、女性たちから届いた言葉
出版後の反響の中で、何より嬉しかったのは読者の女性たちから届いた言葉です。
「自分の悩みが、そのまま本に書いてありました」
「私だけがおかしいのだと思っていました」
「読んで救われました」
そんな言葉を、いろいろな方からいただきました。
これは、まさに私がこの本を書こうと思った原点でした。
「あなた一人の悩みではありません」
それを伝えるために書いた本だったからです。
夫婦で性について話すきっかけにも
意外だったのは、夫婦で読んでくださった方がいたことです。
「夫婦でこの本を読んで、二人で性について話すきっかけになりました」
と言っていただいたこともあります。
また、施術を受けに来られた女性から、
「主人に『この本を書いた人の施術を受けてくる』と言って来ました」
と聞いたことも、一度や二度ではありません。
中には、ご主人から、
「ぜひ感想を聞かせて」
と言われて送り出されてきたという女性もいました。
女性向け風俗というと、「夫には秘密で利用するもの」というイメージを持つ人もいるかもしれません。
しかし実際には、本を夫婦で読み、その延長線上で女性が施術を受け、それについて夫婦で話すケースもありました。
これは私自身、出版前には想像していなかった反響でした。
男性向け講習やカップル講座にもつながった
本を読んで、
「女性のことをもっと知りたい」
と感じた男性から、男性向け講習のご依頼をいただくことも増えました。
また、ご夫婦やカップルから講座のお申し込みをいただくこともあります。
一冊の本をきっかけに、
女性が自分の身体について考える。
男性が女性の感じ方について考える。
そして、夫婦やカップルが性について話す。
そんな流れが生まれたことは、出版して良かったと思えることの一つです。
出版から5年経った今も
出版から5年が経ちました。
出版社からは、今でも本が売れ続けていると聞いています。
流行のように一時的に読まれて終わるのではなく、必要としている誰かが今も手に取ってくださっている。
それは本当にありがたいことです。
女性の性の悩みは、とても人に相談しにくいものです。
だからこそ、
「こんなことで悩んでいるのは自分だけなのでは?」
と思ってしまう女性も少なくありません。
もし今、性のことで一人で悩んでいる女性がおられたら、『女性向け風俗の現場』が何かを考えるきっかけになれば幸いです。
そして女性だけではなく、パートナーの気持ちや身体について知りたい男性にも、手に取っていただけたら嬉しく思います。