「性交痛」は年代によって原因が違う? 20代・30〜40代・50代以降に見られる傾向
性交痛といっても、その原因や背景はすべて同じではありません。
これまで性交痛に悩む女性の施術を行ってきた経験から感じるのは、年代によって痛みの背景に違いがあるということです。
もちろん、すべての方がこのパターンに当てはまるわけではありませんが、私の施術経験では、大きく分けると次のような傾向があります。
- 20代:膣入口の処女膜が痛みに関係しているケース
- 30〜40代:長年痛みを我慢してきたことで、触れられることへの不安や緊張が強くなっているケース
- 50代以降:閉経に伴う身体の変化が関係しているケース
20代の性交痛は、膣の入口付近に原因があることも
20代前半の性交痛では、残った処女膜が挿入時に擦れたり、引っ張られたりすることで痛みを感じているケースがあります。
こうしたケースでは、痛みが出ている場所や刺激の加わり方が比較的はっきりしていることもあり、私の施術経験では、少ない回数で変化を感じる方もいます。
改善に時間がかかる「長年我慢してきた性交痛」
一方、改善に時間を要することが多いのが、何年も痛みを我慢しながら性行為を続けてきた方です。
長い間、
「触られると痛い」
「挿入されると痛い」
「また痛くなるかもしれない」
という経験を繰り返していると、触れられることへの不安や緊張が強くなることがあります。
身体に大きな問題が見つからなくても、過去の痛みの経験から身構えてしまい、刺激を痛みとして感じやすくなることもあります。
このような場合は、単に身体に触れるだけではなく、
「触れられても大丈夫だった」
という経験を少しずつ積み重ねていくことが大切だと感じています。
そのため、改善までに複数回の施術が必要になることがあります。
ただし、性交痛の原因はさまざまです。
強い痛みや出血がある場合、痛みが続いているなど場合は、まずは婦人科などの医療機関の受診をお勧めしています。医療的に問題ないとの確認が取れましたら施術を行います。
「プロだから痛くないだけ」と思う女性も多い
施術で痛みを感じなくなっても、
「でも、それはプロの人が触っているからですよね」
「普通の男性が触ったら、また痛くなると思います」
と話す方は少なくありません。
確かに施術では、最初は痛みが出ないように、その方の反応を確認しながら慎重に触れていきます。
しかし、それだけで終わってしまうと、
「でも普通の男性では無理」
という不安が残ってしまうことがあります。
そこで施術の卒業が近づいた段階では、ご本人の同意と反応を確認しながら、少し刺激の強さや触れ方を変え、それでも大丈夫かを確かめていくことがあります。
「少しくらい刺激が変わっても大丈夫だった」
その経験が、自信につながることもあります。
50代以降は、閉経に伴う身体の変化も
50代以降では、閉経に伴う身体の変化が性交痛に関係しているケースが増えてきます。
閉経後は、以前より濡れにくくなったり、膣周辺の組織が刺激に敏感になったりすることがあります。
そのため、ローションなどを適切に使用しながら、より慎重に刺激を調整することが重要になります。
「昔は痛くなかったのに、最近になって痛くなった」
という場合には、年齢に伴う身体の変化が関係している可能性もあります。
無理に我慢して性行為を続けるのではなく、必要に応じて婦人科などの医療機関に相談することも大切です。

性交痛の悩みは「性行為のため」だけではありません
性交痛の改善を希望される理由は、
「パートナーとの性行為を楽しめるようになりたい」
というものだけではありません。
実際には、
「婦人科検診が痛くてつらい」
「検診を受けること自体が怖い」
という理由で相談される方もいます。
性交痛は、性生活だけの問題ではないのです。
女性の性交痛は、周囲から見えにくい
男性のEDは、勃起という身体の変化が目に見えるため、本人だけでなくパートナーも気づきやすい問題です。
一方、女性の性交痛は外からは分かりません。
女性が我慢してしまえば、男性はパートナーが痛みを感じていること自体に気づかない場合もあります。
その結果、長い間ひとりで痛みを我慢してしまう女性もいます。
性交痛は、女性だけが抱える問題ではないと思っています。
男性側も、
「なぜ痛いのか」
「どのような触れ方が負担になるのか」
「我慢させていないか」
を知り、理解しようとすることが大切です。
痛いのに我慢する性行為を、当たり前にしない。
性交痛に向き合うためには、女性の身体への理解と、パートナー同士の配慮が必要だと、日々の施術を通して感じています。